2019/11/02

是枝裕和「こんな雨の日に」を計2日で読了。

『真実』撮影密着ドキュメンタリーで是枝監督の仕事への取り組み方や人との接し方を見て以降、目下心酔中。粛粛と自身の任務(クリエイティブ)を遂行する善良な社会性を持つ制作者が好きだ。彼らの自己の発生的な創作には、社会から求められる仕事への責任が見事に同居している。

 権力ある立場の人間が、

”「立場」以上に説得力のある言葉を吐けないで「権利」を主張するというのは本当にガッカリだ”

”ちっぽけな自尊心は守られるのかもしれないが、その代償として失われるものは計り知れない”

これらは映画の世界だけに言えることではない。「社会人」として洗練された制作者が大好きだ。

 

”中庭の樹が風が吹くたびに葉を散らす”という一文に目が留まる。自分がそこに描かれているのと同じ景色を見たとして、「風が吹くたびに中庭の樹の葉が散る」という描写を選ぶであろうことが簡単に想像できる。もしかしたら”樹が葉を散らす”という「表現として」の樹の能動ではなく、是枝監督には本当にそう見えたのかもしれない。言葉のおもしろさを再確認すると同時に、そういう視点が作り手である彼の世界を立体的(高解像度)にしているのだろうと確信する。

 

ずっと楽しみにしていた「クィア・アイ IN JAPANが昨日からNetflixで配信され、昨晩と今朝で視聴。

素晴らしい。素晴らしすぎる。(素晴らしいものに出会ったとき、語彙力があまりにも空っぽになる)

少なく見積もっても来春まではこれで乗り切れるほどのエネルギーを充電。全4話のうちの半分の主人公がナチュラル且つ衒いなく英語を話せる人物であることに刺激を受ける。やっぱり英語を話せるようになりたい。

 

昨日から勉強を再開することを心に決めたのに、わたしは自分との約束を守れない。今月から来月9月までの第一次勉強生活を豊かに保つためにも、勉強以外のことを充実させていきたい。是枝スタイルでメモ程度の日記をつけていこうと思う。まずは早急に二度目の『真実』を観に行かなくては。